奥利根水源の森①|ブナ好きには天国?(群馬・栃木)


更新日:令和3年10月24日|体力★★☆☆☆・展望★★★☆☆・静けさ★★★★☆・技術☆☆☆☆ ・危険度★★☆☆☆|ブナ好きおじいさんには天国?600haの緑豊かなブナ林で森林浴や、近くの渓流で酒の肴も。新緑や紅葉、湿原の植物観察も魅力です。


奥利根水源の森(1683m)

◆都道府県:群馬県・栃木県
◆同行者:田中さん
◆登山日:2015年10月13日~15日

 我が家の金木犀(きんもくせい)が香り出す頃、何時ものように標高の高い山では紅葉が真っ盛りで峰下りが始まっている。暦の上では寒露であっても、暖かい陽射しの庭には赤とんぼが乱舞している。

 昨年の同時期に奥日光の温泉ヶ岳に登った帰りに、立ち寄った坤六(こんろく)(とうげ)(1620m)の頂は既に(10月中旬)木々は落葉して冬支度の形相で淋しい風景が広がっていた。WCの完備された水源の森キャンプ場まで降ってくると、ブナ林の錦繍の山域で、何組かのハイカーがテントを張って楽しんでいた。

 喜寿を迎えた我々の山旅は、急登の少ない自然の(まま)のブナの原生林を散策しながらキャンプと洒落込むのがよかろうとその時に話した。今年もシーズン到来で石井さんを誘ったが残念ながら所用があるとのこと。昨年に続き、田中さんと2人旅へ!!

赤城高原から上州武尊山 この奥を訪ねる

月夜野から台形状の上州三峰山を望む

 キャンプ装備一式、炊事道具、食材を車に積み込み、例によって田中さんと最寄り駅から同行した。東北・北関東・関越道と乗り継ぎ水上ICで下車した。3日間は山中に入るので、ガソリンを満タンに。県道、水上・片品線を辿り、大きなロックフィルの奈良俣ダムの堰堤を眺める。その姿をカメラに収め、先を急いだ。

ロックフィルの奈良倉ダム

里では未だ色付はしていない

 里から離れ、高度を上げるに従い、人工林のスギやヒノから解放された。色づき始めたカエデやコナラ・ヤマウルシ・トチノキなどの自然林に変わっていき、木漏れ日が綺麗な斑模様をつくった沢筋を登って行く。

色づき始め

少しずつ色づいている

オレンジに色づく木々

 照葉峡の道標に導かれ、木の根沢の河原に下りてみた。今回で4回目の照葉峡だが、何回訪れても素敵なところだ。今日もまた、白・黄・赤、そして萌黄(もえぎ)や緑に彩られた情景を脳裏に焼き付けた。同じ赤は赤でも少しずつ全ての木々が異なり、絵の具をパレットに絞り出したように鮮やかな色彩で、とても素晴らしい光景である。楽しみというのは、身近なところにいくらでもある。一寸足を延ばせば、このように自由気儘(きまま)に足軽人生を楽しむことが出来るのだ。

照葉峡①

照葉峡②

照葉峡③

 先に進んで、高度が1400m程に達すると、一帯がブナの原生林に変わっていく。県道とも別れ、一方通行のブナの森へ周遊道へと入って行った。途中の木々の合間から、唐突に現れた絶壁の北斜面から対峙(たいじ)する山肌は、全山ブナの自然林で覆われている。雲の切れ間から射しこむ陽射(ひざし)しで、明暗が(せわ)しく入れ替わり、見事な風景だ。この辺りは、冬季には雪も深く、雪崩で所々のガードレールが崩落している。慎重に運転してまわり込むと、前方に色づいたブナの大木が、ここの主のように聳え立っていた。ファインダーいっぱいに、主をカメラに何とか収めた。

対峙する山肌

遠くに見える

山の主(ブナの大木)

 一服入れてから先に進むと、やがて周遊道の最高点の広いブナの森駐車場に着いた。誰もいない広い原には、熊出没中の看板と数ヶ所にベンチが設置されていた。ここでも野営したらしく、石で(かまど)が造られていた。ベンチで遅い昼食を済ませ、今夜の焚火の燃料を少々集める。先に進み、マキバの沢へと下って行くと「こもれびの道」駐車場に至った。

案内図

 ここで大変な異変が。。。こんな山奥で中型のレッカー車が沢から車を引き揚げたところだった。伺ってみると、車を停めてサイドブレーキを掛け忘れ雉打(きじう)ちをしたらしく、駐車場から動いて沢に落ちたとのこと。此の人はキノコ採りのために夜中に()ち、早朝にここに辿り着いたとのこと、今までの時間と思わぬ出費、車がおしゃかになってしまった現実を目の当たりにして愕然としていた。

 我々も充分に気を付けようと、レッカーが移動するまで、明日訪れる田代湿原への入山口を確認して、狭い周遊道を脇目も振らず慎重に一周してキャンプ場に到着した。

 既に5台ほどの車が駐車しており、その内の1台はキノコ採り名人であった。その車内には、クリタケやナメコ、そしてマイタケ、ブナシメジなど天然の恵みが数個の籠に溢れるほど置かれていた。そのお方はちょっと行ってくると言って沢の方に歩いて行った。30分ほどで丸々太ったイワナを、手掴(てつか)みで5尾捕ってきた!?楽しさ溢れる行動で今夜の酒の肴にすると言って、急いで帰って行った。

 我々もテントを張り、田中さんは焚火の材料集めに奮闘。小生は焼き鳥、手羽焼、ビール・日本酒など陽の暮れる前に準備して、焚火が燃え上がる頃に飲み始めた。他には2組がテントを張り、焚火の音と沢の()、そして楽しそうな話し声が静かに聞こえる程度の谷間の夕暮れ。

もみじ

 焚火の煙が初秋の匂いを残して、ゆらゆらと昇って行く。その煙に(あお)がれ真黄色のシラカバの葉が、くるくると近くの枝沢に舞い下りていた。しばし焚火を囲み、団欒をしながら、飲み食いした。夜も更けた頃にテントに潜る。夜半から雨が降り出し、テントの屋根を叩いていたが、寒さは感じなかった。

黄色の葉

次回に続く、、、


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*編集者からのひとこと*
10月24日は「トリコロール記念日」です。
1794年のこの日、フランス国民公会が、現在フランスの国旗となっている青・白・赤の三色旗(トリコロール)を国家の象徴と定めた。
フランス革命の時、市民軍はパリ市の色である赤と青の帽章をつけた。革命が全国に広がって市民軍は国民軍となり、その総司令官に任命されたラファイエットは、「市民と王家が協力して新しい国を作るべき」として、帽章に王家の色である白が加えられた。王政は1791年に廃止されたが、この3色を使った三色旗は国民軍のシンボルとなった。

~今日は何の日から引用~

年末に向け忙しくなり、気づけば更新が空いてしまいました。
楽しみにしていただいている皆様申し訳ありません。

切り替えまして、皆さんはフランスといわれたらどこに行ってみたいですか?
私は五輪でも中継されていたエッフェル塔ですかね♪家族にも聞いてみましたが、母はモンサンミッシェル、妹はルーブル美術館らしいです。人生で1度は行ってみたいですね。
朝晩の冷え込みが少しずつ厳しくなってくる時季ですので、健康にはくれぐれもご留意ください。では!

 

 
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