高倉森(青森)

19 高倉森(829m){タカクラモリ}

県=青森 白神山地  同行者=総勢十五人の山旅

コーディネーター=旧白神ブナ俱楽部企画 佐々木昇氏

登山日:2001年10月20日


Outdoor Style サンデーマウンテン

 昨日に引き続き、白神紅葉巡りに山行。民宿の「みかみ」を八時に出発する。西目屋砂子瀬から暗門川に沿って遡り、暗門ビレッジからシャトルバスに乗り換え津軽峠に入った。峠を越えると鯵ヶ沢で峠から四兵衛森(642m)が目の前に現れ、南面に小岳・冷水岳・尾太岳の1000mを越えた稜線が並んでいた。

津軽峠~四兵衛森の稜線を望む
津軽峠~小岳・冷水岳・尾太岳の稜線を望む

 しばしの眺望を楽しんで津軽峠から高倉森を経て暗門大橋に至る縦走を開始した。今日は途中までマタギの工藤光治さんに案内を頂く、早速入山して直下の樹齢500年程のブナの巨木を観察してから、天然のナメコが生える場所に案内してくれた。

津軽峠のブナ林
津軽峠直下の樹齢500年ブナ

 なんと天然物だけに色艶(いろつや)が良く、今が食べ頃という。「根こそぎ採っては駄目だ、必ず子孫を残す為に少し残して置くのが鉄則だ」「それはワラビにしてもゼンマイにしても同様です」。その際、分厚い腐葉土を切り取って、自然のろ過器の構造を見せてから、大きな蕗の葉で柄杓(ひしゃく)を造り、ブナの冷たい湧水を振舞ってくれた。「マタギは身近の自然にあるものを、上手く無駄なく定まった作法で豊穣の森を大切にしてきた」と話してくれた。

天然のナメコ

 ここで工藤さんは今夜の講話の準備のため下山した。気持の良いブナ林を進み、稜線に上って振り返れば端正な姿の岩木山が津軽平野の中にデンと構え、行く手の枝越しには赤石川を隔て白神核心ゾーンの天狗岳が、ブナ原生林に覆い包まれた山容を見せてくれた。

高倉森の稜線から岩木山
ブナ二次林の緩やかな尾根を行く

 清々しい明るいブナ二次林の尾根を行き、790mのピークを乗越して少し急登すると高倉森(829m)に立った。山頂には二等三角点標石と風雪に晒された古い杭に山名標示が打ち付けられていた。感じのいい頂きだが眺望は利かない。先ほどのピークの方が眺望は利いた。

790mピーク~天狗岳
高倉森山頂にて

 ここは既に白神山地の緩衝(かんしょう)地域に入っており、しばしの原生林を吹き抜ける風に浸って下山に掛った。

 山頂からマタギの高倉森と言われるピークを経由して下って行くと、真っ直ぐに高く伸びたブナ林が独特の景観を見せていた。佐々木さんが「この様に垂直に立つ森は蛇が登りにくく、卵を食べられないので、クマゲラが好んで営巣(いとなす)する」と話してくれた。

真っ直ぐに天を突くブナ

 さらに下ると三ッ又に分かれたミズナラの大木が現れた。「三ッ又に分かれたミズナラをトゲマタといって、マタギ達は山の神が宿る木でたたりが有るのでけして切ったりしない」。佐々木氏談

トゲマタ巨木(ミズナラの三ッ又)

 先にはおとな四人でやっと囲めるブナの巨木があった。樹齢五百年だと教えられる。木肌にはクマが下った時の爪跡が幾つも有った。

巨木ブナ 女性四人でやっと囲めるほどの太さ

 次々と現れるブナやミズナラやハリギリなどの大木に見とれながら、林床に敷き詰められた落ち葉で、ふわふわの踏み跡を辿り暗門大橋に飛び出し縦走は無事終わった。

 時間的に無理かもしれないが暗門の滝が見える所まで行こうとなり、早足で歩を進めたが、第一段が見えたので引き返した。今夜の工藤光治氏の講話を楽しみに、原生林の真只中に明け暮れた素晴らしい一日が終わった。

名前は不明な滝
暗門橋に下山して女性群に囲まれる

 

 
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