更新日:令和4年10月16日|北アルプス表銀座コース:山頂まで6時間くらい|体力★★★★☆・展望★★★★★・静けさ★★★★☆・技術★★★☆☆・危険度★★★★☆・中上級者向け|ブナ好きにはたまらない?人気の北アルプス表銀座コースで日本3大急登合戦尾根を登る!
◆都道府県:長野県(北アルプス){二百名山}
◆登山日:2007年7月20日~21日
◆同行者:田中さん
還暦を迎えた当時に、是非とも古稀を迎えるまでに、
北アルプスの表銀座を登って見たいと思っていたが、
月日の経つのは早いもので其の古稀が目の前に迫ってきた。
北アルプス三大急登に数えられる合戦尾根の登りは斜度でみると、
日本三大急登に劣らない凄さが有り、金ヶ岳で痛めた膝に不安が募ったが、
「今でしょう」と、無理のない大名縦走登山計画を立て田中さんと出掛けた。
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松本平の西側に標高差2000m近い高度で聳え、
連なる北アルプス南東部の山脈で、槍、穂高連峰とは梓川を挟んで、
そして烏帽子・野口五郎・三俣蓮華・鷲羽岳とは高瀬川を挟んで並行に対峙する。
北端の唐沢岳(2632m)から餓鬼岳(2647m)、
東沢乗越を経て燕岳(2763m)、大天井岳(2922m)、
横通岳(2767m)、常念岳(2857m)、蝶ヶ岳(2677m)、
大滝山(2614m)そして徳本峠を越えて露沢岳(2646m)まで、
直線距離にして30㎞になんなんとする長大な山脈で、
山並みの最高峰は大天井岳だが端正な金字塔の姿といい、量感といい中央に位置する常念岳を盟友とする。
今回私達が歩いたのは、中房温泉から入山して、
燕岳~大天井岳~横通岳~常念岳と南へ縦走して、
蝶ヶ岳~長塀尾根を辿り上高地へ下るという俗にいう、
北アルプス登山の表銀座コースの一部を歩き、
常念山脈を走破して槍・穂高連峰の大パノラマを満喫できることを期待して出発した。
田中さんと新宿で合流して{あずさ一号}で大町へと向かった。
車中で松本駅から乗車した登山姿の古老から我々の姿を見て「親子で登山ですか、いいですねー」と言われ
「どちらが親に見えますか」と尋ねたら頭の薄い方の「田中さん」だという、
私の方が五歳年上なのに若く見られたものだ。その古老は70代半ばというが、
これから戸隠山へ単独登山を試みると言ってお互い無事を祈って大町駅で別れた。
我々は今夜の宿である中房温泉へとシャトルバスで向かった。
一軒宿の招仙閣に着いてから未だ陽が高いので辺りを散策した。
コバイケソウやタカネイバラそしてサンカヨウが心を癒してくれた。
新築された売店に立ち寄り、古き時代(大正浪漫)を偲んだ露天風呂に入浴する丸髷姿の写真などを購入した。
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翌朝、大名登山なので、充分に寛いで宿を8時30分に出発した。
濃緑の樹林帯の中をいよいよ急登の合戦尾根に取り付く。
良く整備されたカラマツ林の登山道をゆっくり登り平坦地の第一ベンチ、ここの水場で喉を潤す。
荷揚げ用のケーブルを潜ると第二ベンチと高度を稼ぎ、第三ベンチで半分の行程を登って来た。
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富士見ベンチを過ぎると、やがて植生も変り気持の良いシラビソ林を進む。
さらに登ると西瓜を切り売りしている合戦小屋に着いた。
山中で食べる西瓜の味はまた格別で、ここで大休止して暫く辺りを散策した。
この小屋での宿泊は出来ないと記してあった。
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しばしの休息の後、高山の趣(おもむき)になった景観に酔いしれながらダケカンバやハイ松の世界に入り、
合戦の頭まで緩やかな登りをチングルマの風車に似た、今にも飛んで行きそうな花柄を愛でながら歩いた。
合戦の頭は小広く、三等三角点標石とベンチが有ったので一服つけた。
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更に進むとやがて灌木も無くなり、岩肌の露出した滑り易い急坂を喘ぎながら登って行くと、
薄紫のヤマトリカブトやピンクのハクサンチドリをカメラに収め、
やっと大きな建物の燕山荘が見えて来た。唯ひたすらに登るしかない三大急登の一つを登り切り感無量で有る。
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山荘に入り受付を済ませ、ザックをデポしてカメラとサブザックを持って燕岳へ向かった。
燕岳は花崗岩の山塊で浸食された岩峰が立ち上がり独特の景観を見せている。
一面の滑り易い砂礫地を歩き燕岳に立った。山名標石と二等三角点標石だけのサッパリとした山頂だった。
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山頂から北燕岳へ至る西斜面は道すがらコマクサの大群落地で、まさに花盛りで見事なものである。
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目の前に岩峰の槍ヶ岳を仰ぎながら急いで登り、
燕岳山頂に達した時には西の高瀬渓谷から雲が湧き上り、
立山・鹿島槍ヶ岳方面は眺望が出来なかった。
それでも足元にはタカネスミレやミヤマクワガタ・ヒナザクラ、
それにタテヤマウツボグサ・ミヤマオダマキ等が今を盛りと咲き誇って楽しませてくれた。
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燕山荘に戻り辺りを散策して慈恵医大の夏季診療所が開設されていて心強い。
早々に合戦尾根を登り切った祝いに生ビールで乾杯した。
山荘は六百名収容できる大山荘で、一般的な山小屋とは大違いでとても山上に居る様には思えない。
4人用の二段ベッドの上段を確保出来た。
美味しい夕食を頂き食後の夜8時からの山荘支配人である、
赤沼さんのホルンの吹奏に聴きほれてから床についた。
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