「ほら貝」を思わせる山容~貝鳴山~(福島)

84  貝鳴山 (1222m){カイナリヤマ}(山の本投稿済)

【クマが潜むバイ貝を伏せた様な山】

県=福島 南会津  同行者=田中さん

登山日:2008年10月23日


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  数年前に快晴の甲子山(かっしさん)に登り南会津の山々を眺めた時、この山域には比較的植林の少ない広葉樹の多い山々があると心にとめた。植林されたままで、荒れた山を好まない者としては、機会があれば紅葉の時期に訪れたい山域で山行計画表に組み込んでおいた。今回その機会が訪れ南会津の十山登った中の一山を記してみる。

 貝鳴山は東北の関ヶ原と言われ、徳川家康の会津侵攻に備えた見張り山であったらしい。天和三年(1683)九月一日の日光大地震により五十里湖が出現し南山通り(会津西街道)の通行が困難な時期もあったという。

七ヶ岳登山口から貝鳴山遠望

 その現在の国道121号線を今市から北上して南会津町(旧田島町)に向かい、山王トンネルを抜け山王茶屋(南会津町の適し民俗資料館に移築)跡を過ぎると萩野集落に着く。集落に入ると直ぐ右側に滝沢林道入口があり、傍の集会場の前の路肩の広い場所に駐車した。

 この林道を20mほど入った右側の(五㍍程)奥まった所に石祠があり、ここが登山口で有る。滝沢林道は入って直ぐにゲートがあり、通行止めになっている。

 予め2・5万図でルートを確認し、稜線に直接登ればよいと判断していたが、登り出しの踏跡は左に一旦逃げてから、尾根筋を登っていく。

 会津鉄道七ヶ岳登山口から眺めた貝鳴山は、バイ貝を伏せた様な形の山である。見上げると下半分の左側は緑が濃く、右側は落葉樹林で、上の方が紅葉しているのが見て取れた。登って行くと左斜面はスッキリ伸びた背の高いカラマツと赤松の混生林で、下から見えた緑の斜面であることが判った。

赤松と落葉松の混生林
紅葉が美しいカエデやリョウブ

高度を稼ぐと、やがて尾根筋となり厚い落葉で道は不明瞭になったが、所々に赤ペンキ印がある。徐々に急な登りになり、紅葉したミズナラやコナラ、そしてクリやカエデ、リョウブなどの落葉樹が多くなり、林床は蜜生したクロモジの黄葉で見事なものだ。ストックを最短にしての急登は足元がザレ状のため滑って歩きにくい。

大岩を右に回り込む

 やっとの思いで登り切ると緩やかな稜線となり、1196.7mの三角点に到着した。山頂は木の間越しにみえる先の高みである。ここから狭いが錦に彩られた気持の良い稜線だ。数度のアップダウンを繰返し、ルートを塞いでいる大岩を右に廻り込むようにして辿って行くと、やがて1222mの貝鳴山山頂であった。

貝鳴山 山頂

山頂標識や三角点はないが代りに立派な石標があった。高曇りのため遠くは望めなかったが、近くの家老岳、高士山は木々の間から覗いている。木の根方に座り込んでタバコに火をつけ、あたりを見回すとクリやコナラに熊棚を発見。新しい爪痕からして今年の秋に登ったものだろうと考えられる。前日に登った大嵐山はブナ林で、夥しい熊の爪痕に感動したものだが・・・。

コナラの梢にクマ棚

 一息いれたところで来たルートを下山にかかった、登りには気付かなかったが、熊棚がたくさん有るのに驚く。今まで数多くの山旅をしているが、里の近くでこんなに沢山の熊棚を見たのは初めてである。熊は、自分の棲処に人が進入して、さぞ喧しかっただろうと思いつつ、耳を澄ませばミズメの梢でコゲラがコツコツコツと餌を探していた。

 落葉した雑木の中に一際目立つ、カエデの紅や橙、コシアブラの黄と白がなんとも言えない美しさだった。自然の豊かな恵みに身も心も委ねたまま、萩野集落に戻った。

 集会所の広場で古老が木の皮剥ぎをしていたので、何に使うのか聞いてみた。「雪囲いに使うのだが、皮を剥さないと腐りやすいから」と言う。ついでに前方の山はと問うと「家老岳」で藪山だが、3~4時間ほどで登れるとのこと、ぜひ登ってみたいと思いながらその場を辞した。時間がまだ早いので、この際、「人名登山」の一つを果たそうと斉藤山へと向った。 

 

南会津町のパンフレット『南会津を歩く』には、{昔懐かしい風景、大自然の雄大さ、高山植物・野生植物の美しさ自然のままの景色が残っています。そこに暮す人々の心の温かさ、忘れることのない感動の時間がここにあります}とある。その通りの山旅であった。

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