3 伏美岳(1792m)
県=北海道 歩=5時間 静=☆☆☆ 推=★★★ 難=2
同行者:田中さん
登山日:2004年7月22日
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志水哲也さんの「果てしなき山稜」(白山書房)を読んで日高の山々に魅せられていた。
兼々機会があったら登りたい山域の一つであった。
![](http://image.moshimo.com/af-img/0068/000000004150.gif)
同行の田中さんが、「いい山です。林道は危なく無いし、小屋は綺麗だし、手頃な時間で登れる。それに植生が原生林だ、頂上からは晴れていれば日高の山々の眺めは抜群!」とのお墨付きで、2004年7月に十日間の北海道山行の一山に加えられたのが「伏美岳」であった。
山名の「伏美」とは美生川上流の山林地帯の地名で、ここは伏美湿原や伏美仙峡といった景勝地もある。芽室町中美生の新嵐山荘に前泊し、翌早朝に車で、美生川に沿って舗装道路を進み、やがて分岐に伏美岳登山口の標識あり、ここから荒れた砂利道をニタナイ川に沿って暫く行と、エゾシカの出迎えで、伏美岳避難小屋に到着。
小屋は切れ込んだ山裾にあるので、目指す頂上はまだ見えない。小屋の中を見て、下山後の泊まりの確認をして先を急ぐ、避難小屋から500mほど先に登山口の駐車場があり既に地元の方と習志野ナンバーの二台の車が駐車してあった。
![伏見岳避難小屋(十畳程)](https://www.mountain32.blog/wp-content/uploads/2020/09/46ae08ee0f5b15a44bae1d12cba48237.jpg)
![伏美岳登山口 登山届函](https://www.mountain32.blog/wp-content/uploads/2020/09/2c9384fdde0afdf7b728e23d6828b377.jpg)
登山届帳に記入して、ピッケルの形をした標識のある登山口から第一歩を踏み出す。途中の登山道には、誰が付けたか小さな赤テープ(2cm)が道行く草に目につき、このような目印の方法もあるのかと感心する。
沢からは吹き上げる冷たい風が心地よい、ジグザグを二回ほど繰り返し、ダケカンバの原生林を進むと台風の仕業か、ある一定の斜面が倒木帯になっていて痛々しい。傍には獣がキラキラした甲虫類を食べた糞があちらこちらに見当たり、樹林が瞬間に開けた先にはスカイラインに芽室岳、久山岳、剣岳が聳えていた。
四合目付近からは、登山道の周り一面にヤシオツツジの大群生で見事である。五合目を過ぎると、シャクナゲ回廊となり、開花シーズンには素晴らしいだろうと思いながら、歩を進めると可憐なカラフトイチヤクソウが咲いていた。
![カラフトイチヤクソウ](https://www.mountain32.blog/wp-content/uploads/2020/09/bc61d06a40e9c422c542d81a99bc5b30-1.jpg)
更に先の痩せ尾根を進み一瞬立ち止った、ダケカンバの大木の倒木が行く手を遮る、誰が名付けたか「タコカンバ」という小さな名札が付けてあったが、名付けた価値ありと大笑いした。
![ダケガンバの倒木](https://www.mountain32.blog/wp-content/uploads/2020/09/da5b76f7dab56054ef526585d1789419.jpg)
急勾配の登山道がどこまでも続き、木の間越にはピパイロ岳が見え隠れするダケカンバ原生林を抜けると、やがて森林限界となり一面に笹とハイマツ帯となり、ウメバチソウやマルバシモツケが花弁をもたげ群がっていた。ここまで登ると隣の妙敷山は目線上に、その向こうに十勝幌尻岳から札内岳への連なりが見えはじめ、一刻も早くこの眺め見たさに、暑さを振り切ってハイマツ帯を抜けると、岩上に「伏美岳頂上1791m」とプレートが取り付けられた頂に飛び出した。
![伏美岳・山頂(1792m)](https://www.mountain32.blog/wp-content/uploads/2020/09/505c565a12ebf0beace7aaa3f279b8f3-1.jpg)
頂上から50m先に進んだ所の岩峰は360度の展望に最も相応しい場所と田中さんが呼ぶ、まさに絶景の一語だ。
切れ込んだ戸蔦別川を隔てて、日高の山並みがずらりと現れ、目の前には縦走可能な家形のピパイロ岳、先 が尖ってカールを抱いた戸蔦別岳、傘状にどっしりと幌尻岳が聳え、そして目の前の妙敷山・神威岳・エサオマントッタベツ岳・幌内岳・遥か彼方にカムイエクウチカイシ岳・十勝幌尻岳と続く。。。
そして目を北西に転ずれば、遠くに(石井光造さんが一ヵ月後に登られる予定の)チロロ岳(西・東峰)が、その右にはルベシベ山からトムラウシ山、手前に芽室岳と剣岳、日高の山並みのオンパレードで山座同定に余念がない。東側には十勝平野がおぼろげに霞んでいた。
![岩茸が密集している岩峰から望む十勝の山々](https://www.mountain32.blog/wp-content/uploads/2020/09/ffc025dc59fbac1ed25204a4f598277f-1.jpg)
岩峰には岩茸が密集し、岩の隙間にはところ狭しとイワブクロやヒメイソツツジが咲き乱れ、濃青の空の下、悠然と天を指す岩峰とカール、千仭の渓谷に神秘的な高山植物や樹木など、千変万化する大自然の偉観に接して、時と疲れを忘れ、気が付けば2時間ほど経っていた。
![イワブクロ](https://www.mountain32.blog/wp-content/uploads/2020/09/2fff3927b42ca9566c8067a679d90207.jpg)
![ヒメイソツツジ](https://www.mountain32.blog/wp-content/uploads/2020/09/8edce273fb6d8a5d42c1441a9ddbba20.jpg)
![カラマツソウ](https://www.mountain32.blog/wp-content/uploads/2020/09/034e9b60a20dcfaab55e807c9ac8e28d.jpg)
後ろ髪引かれるが下山に取り掛かる、よくこんな急坂を登ってきたかと思いつつ下山。
私の嫌いな杉や桧の植林は一本も見かけない素晴らしい山行で、誰も居ない我々だけの避難小屋に到着。こんな居心地のよい小屋にはアルコールが足りない、まだ日も高いので車で下界の芽室町までビールの買出しに急ぐ。
無事下山祝いをしながら、今回の山行(旭岳・夕張岳・伏美岳)で思い出やら、明日から登る(野付半島・雌阿寒岳、知床山域・天塩岳)今後の予定を話し合い、外の広場に出て寝転がり、幻想的なエゾシカの泣き声を聞きつつ、満点の星空を観察し、下界での我々の生活圏では滅多に見ることが出来ない流れ星を何回も見ることが出来た、明日からの山行も無事であることを祈りつつ眠りについた。
車・芽室町中美生 新嵐山荘→(30分)
登山標識分岐→(30分)避難小屋→(2分)
駐車場 登山口→(1時間40分)五合目→(1時間20分)山頂
→(2時間)駐車場 ゆっくり歩いて。
◆オススメ情報<下山後の入浴お勧め>
新嵐山荘 TEL0155-65-2121
新嵐山荘はこちらのリンクよりご確認ください。
◆アドバイス・・芽室山岳会ではヒグマに充分注意するよう呼びかけている。